歩道を歩きつつ、二人は話した。
「エルク達の国は、便利だね」
「まあ、それも、親父がラークリマを持ち逃げ する前までの話だけどな」
「その人も不思議だよね」
未来は、エルクの父、クロロプラスト王国の王 について、疑問に思うことを口にした。
「平和を保つためのラークリマを持ち逃げして 、アンタの父親に何の得があるの?
ただ、国がめちゃくちゃになるだけじゃん。
それに、青乃臣から聞いたけど、アンタって人 の血を飲まないと寿命が縮むんでしょ?
こっちに来てから体質が変わったんだよね。
いくら平和な国とはいえ、ひとつの国を統治し てるような人間なんだから、王も、そのくらい の危険は予想できたはず。
ラークリマが失くなったらどうなるかくらい、 普通は考えるでしょ?」
未来の言葉を飲み込むように黙り込んだ後、エ ルクは恐る恐るつぶやいた。
「……親父は、クロロプラスト王国を捨てたの か…?」


