「はぁ……!?

なんで俺様が、異世界なんかに行かな きゃなんねぇんだよー!

お前達があのバカ親父を探して、とっつ かまえりゃいい話だろ!?」

15歳の少年・エルクは、越権(えっけ ん)の間で叫んだ。

彼は、緑豊かなクロロプラスト王国、ア ムドシア郷のアムド城に住む、クロロプ ラスト王国の王子である。

彼はいま、家臣達により窮地に追い込ま れていた。


「エルク様。あなたは将来、この国を背 負って立つお方。

今こそ、あなたの働きを国民に示す時で はありませんか」

エルクの専属執事・青乃臣(じょうのし ん)が言った。

真面目一直線の青乃臣。

彼は、物心ついた時からエルクの世話役 を任されている、17歳の男性である。


「ジョーまでそんなこと言うのか よ……」

ジョーこと青乃臣の言葉に、王子エルク はふてくされた。

彼の名は、エルク=ダリア=アムドとい う。