ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


翌日は、運良く、雨が降っていた。

エルクのヴァンパイア体質が現れにくい天候で ある。


朝から店の仕事があると言う稔を見送ると、エ ルクはさっそく洗濯に取り掛かった。

「体調が整ったら私がやりますから、そのまま にしておいてください」

そんな青乃臣の言葉をまたもや無視し、エルク は自動洗濯機の中にみんなの洗濯物をほうり込 んだ。

「基本ジョーは、俺様が何もできないと思って るけど、これでも王子だぞ。

飲み込みはいい方なんだ」

洗濯機の中が水で満たされると、脇に置いてあ った粉洗剤を一箱分、一気に流し込んだ。

ザザーッと音を立てて水の中に落ちていく粉洗 剤を見ると、エルクの清々しさは増した。

「よしよし。出だしは順調だな。

さすが俺様。何をやっても完璧っ」

鼻歌を奏でつつ、エルクは《洗う》のボタンを 押した。

回転した洗濯機の中は、またたく間に泡だらけ となり、それは外まで溢れ出すこととなった。

勢い良く振った炭酸飲料が、缶から吹き出した 様子に似ている。

エルクは焦り、

「おい! なんだこれは!

誰かのワナか!?

どこの敵だ、こんなことしやがる卑怯者は!

おいっ! 誰でもいいから来てくれ!」

大声で叫び、助けを求めた。

こうしている間にも、床には泡が広がり、大変 なことになっている。

洗濯機の中は、衣服や水が見えないくらい、も こもこした白い泡におおわれていた。