「情けないなぁ、かして!」
あきれた未来は、引ったくるようにエルクの手 からグラスを奪い、残りのトマトジュースをゴ クゴク飲み干した。
エルクはそれを見てまたもや動揺し、胸を高鳴 らせる。
「それ、俺様と青乃臣が口つけたやつだぞ…!
よく平気な顔で飲めるな!」
「アンタがトマトジュースを邪険に扱うからじ ゃん。
こんなに美味しいのに」
未来は膨れっ面。
「そういう問題じゃなく!
男が口つけたグラスを使うなんて、恥ずかしく ないのかよっ」
未来にもやっとその意味が分かった。
彼女は頬を紅潮させ、怒った表情で、
「アンタ、仮にも王子なんだよね!?
だったら、そんな低俗な視線でモノを言わない でくれる?」
「『仮』じゃねぇ!
正統な王族の血筋だっ」
「信じられない。
バカなヤツは放っておこ!
青乃臣、ご飯!」
意地になり、引き下がらない二人。
「かしこまりました。
お二人とも、食事の前にまずは落ち着きましょ う」
止める気もないままに一応そう言い、青乃臣は ひとり状況を面白がっているような顔つきで食 卓の準備を整えたのだった。


