楽しげな二人の会話が、眠っているエルクを起 こした。
エルクはのっそり立ち上がり、ダイニングの調 理場で隣同士に立つ未来と青乃臣をうらめしげ に見た。
「むぅ……。俺様のこと放置して、ずいぶん楽 しそうだな」
その声に二人は振り返る。
「エルク様…! おはようございます。
すぐに夕食をお作りいたしますので、もうしば らくお待ちくださいね」
いつも通り穏やかに告げる青乃臣とは真逆に、 玉ネギ発の涙にうめいていた未来は、眉をつり 上げてエルクに詰め寄り、
「私、おやつ食べそこねたんだからね!
楽しみにしてたのにっ。
エルクも手伝え!」
寝起きで頭の中が半分ぼんやりしているエルク の腕を引き、未来はずんずん調理場に歩いた。
服越しに伝わってくる未来の体温を感じたエル クは恥ずかしくなり、
「おっ、おい!
腕! 腕つかむなっ!
俺様を誰だと思ってるっ!」
真っ赤になって抵抗し、身分の高さを主張しつ つも、未来に対しては全く効果がなく、エルク はされるがままになる。


