「こんなところで寝ていては、風邪をひいてし まいますよ」
青乃臣はすぐさまリビングのソファーにかかっ ていたブランケットを持ってきて、それを、起 きそうにないエルクの背中にそっと羽織らせた 。
かたわら、冷蔵庫を開けた未来は非難気味に声 を上げ、
「青乃臣! ケーキなくなってる!」
「本当ですか!?」
驚きを隠せず、青乃臣も彼女の後ろから冷蔵庫 の中を確認した。
「何ということでしょう。
エルク様は、未来様の分まで食べてしまったの ですね」
「ったく。普通、人の分まで食べないでしょー 」
うなだれる未来の横で、青乃臣は思案顔。
「……ひっかかりますね。
エルク様はたしかにワガママな部分があるお方 ですが、次期王位継承者。
一通りのマナーはわきまえてみえます。
こういった行為をするなど初めてのことですか ら、私も少々驚いています」
「マナーゼロじゃん、食いしん坊め。
あーあ。私のバナナケーキが……」
未来はガックリ肩を落とす。


