「ところで。未来様は、柿やミカンに次いで、 昔からバナナがお好きだそうですね。
稔様にお聞きしました。
なぜ、ショートケーキにバナナを合わせるのが お好きなのですか?
一般的に、ショートケーキにはキウイやパイン 、イチゴなど、彩り鮮やかなフルーツを使うの だと、料理本に書いてありましたので」
彼女がバナナのショートケーキを好きなのには 理由がある。
「一般論は、全員に当てはまるとは言えないの 」
未来は通学カバンを振り回しながら、階段を降 りる。
「学校のみんなにはこんなこと言えないけど、 私、イチゴのショートケーキって邪道だと思う !」
「邪道、ですか?」
「そう! 青乃臣の言うことは間違ってないし 、そういうフルーツがショートケーキに使われ ているのは分かってる。
私だって、パインやイチゴ単体なら、好んで食 べてるし。
でも、ショートケーキにはミスマッチ!
生クリームには、ああいう酸味のあるフルーツ は合わないの。
その点、バナナは優秀な食材なんだよ。
生クリームとの相性100%なんだから」
「そうですね。
味見をした時、バナナと生クリームは非常によ く合うと感じました。
互いの持ち味を引き出し合うような、そんな感 覚でしたね」


