冷蔵庫の中に用意されていた青乃臣お手製ショ ートケーキを5分もしないうちに平らげ、エル クはダイニングをうろついた。

「あー!

つまんねぇ。つまんねぇ。

早く夜になんねぇかなぁ……。

俺様の時間が、無意味に過ぎていく……」

腕組みをしつつ時計の針を見ると、18時を過 ぎようとしていた。

「にしても、未来のヤツ、遅いな。

昨日の今頃は、もう学校から帰ってきてたのに 」

ダイニングの食器棚。

3つ並んだおそろいのマグカップを見て、エル クの退屈さは、寂しさと同時に増していった。

「ったく……。

ジョーも未来も、俺様を残してこんな時間まで 帰ってこないなんて、薄情すぎねぇか?」

ムシャクシャしながら冷蔵庫を開く。

中には、青乃臣が購入した数日分の食材と、未 来の分にと用意された残りのショートケーキが あった。

「未来はどうせ夜まで帰ってこなさそうだし、 別にいいよな?

俺様を放っておくとこうなるんだってとこを、 見せてやるぜっ」

腹いせに、未来のショートケーキをためらいな く口にするエルクであった。