青乃臣はうなずき、手にしていた本を掲げる。
「はい。あまりの面白さに、読破してしまいま した」
「もう読み終えたの……!?
私なんて、6時間以上もかかったのに!」
未来は度肝(どぎも)を抜かれた。
エルクは二人を見遣ると、自分のことを話す時 のように自慢げな感じで、
「ジョーは城にいた時から小難しい本ばっかり 読んでたし、慣れてるよな」
「そうですね。日常的に文章を目にしていまし た。
ただ、魔術書や書類と違い、こちらは人が作っ た物語。『小説』でしたか。
この惑星の方は、素晴らしい物語を綴りますね 」
創作物に触れるのが初めてだったあまり、普段 冷静な青乃臣は珍しく瞳を輝かせていた。


