「ま、さすが俺様、とでも言うべきかな。
日本にも慣れつつあるし、ジョーもサポートし てくれるし、『反抗』とは無縁かも」
自信たっぷりなエルク。
未来は面白そうに、
「ふーん。そうなんだ」
窓の外に目をやり、
「……おじいちゃんのことは好き。
ただ、他の大人とだいぶ違うからあきれること はよくあるけどね。
おじいちゃんのこと本気で嫌いだったら、最初 からアンタ達をここに住まわせたりはしなかっ たと思う」
未来もまた、今日になってようやく自分を見つ めることができた。
なじりつつも、稔を信じている自分自身に気付 く。
静かな窓辺に、朝の日差しが射す気配。
暗い空の隅に、少しだけ太陽の明るさが見えた 。
「結局、あんまり眠れなかった」
未来がため息まじりにつぶやくと同時に、廊下 の奥から青乃臣の声が響いた。
「お二人とも、どうされました?
起床時間までは、まだまだ余裕がありますよ」
さきほど未来が読んだファンタジー小説を片手 に、青之乃臣が歩いてきた。
「変な夢見てから、眠れねんだよ」
「そうなの。青乃臣こそ、ずっと起きてたわけ ?」
エルクと未来は、同時にそう答える。


