いつもの帰り道を歩く。


みんながわいわい帰ってるのに、私はとぼとぼあるく。



私が通っている学校、美翔高校は、市内でも有名な学校。

名前が特殊で、びしょう高校という。

まぁ、学校名の由来とか、大体想像つくとは思うけど…

そんな高校に通う私、成田美嘉は、高校3年生になったばっかり。

実は、あることが原因で、美翔高校に転校した。

私は、ストレートの長髪で、目の近くにほくろがある。
正直、ほくろはコンプレックスだ。

みんなにばかにされる。

いじめとまでは言わないが、辛かった…

『なに、そのほくろ!そのほくろはおもろいわ!
なんか、うちのばあちゃんも同じ感じやで??』

『わかるわかるー!』
『ぎゃははははははは!』

耐えられなかった。

ちょっとしたことかもしれないけど、壊れそうだった。

特に、からかう中心人物になってたのは、私のかつての大親友、城之内麻奈美だった。

私は麻奈と呼び、麻奈は美嘉と呼んだ。

麻奈は、学校のアイドルで、読者モデルをやっていた。
おまけに、麻奈は世界に名を誇る、城之内財閥の一人娘で、わがままだった。

『美嘉ー!この前写メったほくろいり顔写真、めっちゃ笑ってくれたよっ!
男子から、麻奈は写真撮るの上手やなって言われちゃったー!』

『…そっか。よかったじゃん!』

『うん!美嘉のおかげ。麻奈美、誰と付き合おっかな~』

てな感じで、私は都合のいい道具みたいだった。

麻奈とは、小学4年生の時に意気投合して以来、ずっと仲良しだった。


けれど、麻奈からのからかいがエスカレートして…




私は不登校になった。



それからは、麻奈とは顔も会わせないまま、高校1年生になる前に私は転校したんだ。