Destiny

横になって少し経ってから私のベッドのすぐ近くで誰かの足音が聞こえた。


「工藤さん、早川です。カーテンを開けてもいいですか？」


なんだ、早川先生か…


「はい、どうぞ。」


カーテンが開けられて早川先生が入ってきた。


「調子はどう？」


「だいぶいいですよ。」


「その割には大人しく布団に潜り込んでいるじゃないか。僕に隠し事をしようとしたって無駄だぞ。」


「…本当はすごく疲れました。」


「そう。じゃあ、ゆっくり休めよ。」


早川先生はふとテレビのある台に置いてある甚平を見た。


「着替えた方が楽になるぞ。工藤さん、まだ制服だし…何なら着替えさせようか？」


そう言って早川先生は意地悪く笑った。


「…何言ってるんですか!?自分で着替えれますよ!!」


「…冗談だよ。でも、看護師に着替えさせようか？」


自分で着替える気なんてさらさらなかった。


でも、さすがに制服で寝るわけにもいかないいかないと思ったから看護師に着替えさせてもらうことにした。


私の答えを聞くと早川先生は「また明日な」と言って出て行った。