初めは無視だけだったものが、日が経つにつれ物を隠す・壊すになり、そこに暴力と金銭要求も加わった。



夢乃が庇った友達は、自分が助けられたことも知らず、あっさりイジメグループの一員となっていた。



今ではクラス中が夢乃をイジメの対象として見ている。



「見て見ぬふりも・・・立派なイジメの加害者なのにね・・・」



面だってイジメている子は限られているが、加わらず見ているだけの子も夢乃からしたら同じだった。



「疲れちゃった・・・」



知らずしらずの内に口から溜息が漏れる。



中学まではこんな風じゃなかったのだ。親友もいたし、それなりに恋もしていた。



けれど・・・高校に入ると同時に両親の離婚が決まり、夢乃は生まれ育った東京を離れ、母の田舎である愛知に引っ越した。



そこから何かタガが外れたように夢乃の人生は狂い始めたのだ。



「こんな事・・・・誰にも言えないよ・・・」



東京にいる親友にはもちろん、母にも相談できずに今に至ってしまっている。