「お前もう学校くんなよ!!!」


「いや。来てもらわなきゃ困るでしょ?誰が私達の為にお昼買いに行ってくれるの?」


「あっ・・・そうだった。おい!!ブス乃明日からも来いよ!!!」



後ろで聞こえる笑い声を必死に聞かないフリをして夢乃は教室から逃げるように飛び出した。


『廊下は走らない』と教師が叱る声が聞こえてきたが、それすら無視して夢乃は走り続ける。



(なんで・・・なんで・・・なんで私ばかりこんな目に合わなきゃいけないの・・・)



廊下を走る事を叱るなら、何故いじめを見て見ぬふりするのだろう。


廊下を走る事より、人を傷つける事の方が何倍もやってはいけない事のはずなのに・・・



誰も助けてくれない。



地獄はどこまでも続くから地獄なのだ。



夢乃は生きる事に希望が見いだせなかった。