目が合う瞬間



「可憐ってば、また橋下と見つめ合ってたのー?」


そう言いながら私が黒板を写していることなど気にもせず、菜々は目の前に仁王立ちした



菜々のせいで何も見えないんですけどっ



もう、いいや

元々あんまり写す気なかったし



あとで菜々にノートを借りよう




そう思いながらロッカーに向か……






「ちょっと待ったー!!」






菜々が大声で言いながら前に立ちふさがる



「さっきから、なんで無視すんのよっ」




チッ、バレたか



これは答えないとどいてくれないな




「…あのね、アイツとしてるのは『見つめ合う』じゃなくて『にらめっこ』だから」



渋々そう答えると菜々は不満そうな顔になった



「えー?

でも、普通授業中ににらめっこする?
絶対橋下、可憐のこと気になってるって」



またこれか。


私が橋下とにらめっこをするようになったのは数週間前からである


そして、そのことに気付いたときからずっと菜々は『橋下、可憐のこと気になってるよ』と言ってくるのだ