私のほうを見てにっと笑う先生。
ばーか‥
あっかんべーする私を叩く先生。

私はまだ何にも気付いてない
先生と喋るときになる胸の痛みも
触れられたところが熱くなることも
先生のことが‥すきだと。

きっと気付いていないからこうして接せれた。
意識したら触れられることにも
喋ることにも、胸の痛みにも
とても敏感になってしまうから。

先生の後ろ姿を愛しく想う自分に気がつくのはもっと後のこと‥


次の日から朝練が始まった。
打ち合わせをする私と秀くん。
顔‥近いよ
話そっちのけで秀くんの細い指に見とれていた。

「始めよう!」
秀くんがみんなに叫ぶ。
低い声がみんなの声の中で澄んで響く。
みんなが喋りつつ動く。