すきなヒト

「そうですか〜」
明らかにテキトーに流す先生。
そして声をあげて笑った。

そんな先生に拗ねている私を見て
「学校来てくれて良かった」
なんて囁くから私の頬は紅く染まった。

やっぱり大人だなあ‥
今までこうやって何人の女の子をドキドキさせたんだろう
そう思ったら悔しかった
私が特別だなんて妄想だったのかな。

「先生に会いに来たんだよ」
冗談のつもりで言ったのにまた頬が染まる。
「‥‥おまえ」
俯いてた顔をあげて私を見つめて言う
「そんな顔してそんなこと言うの犯罪」

キョトンとしている私を見て笑う。
犯罪って‥その笑顔が犯罪ですよ、先生。
私の頬をなんども紅く染め上げる。
最高の絵の具は先生の笑顔。

先生は椅子から立ち上がった。
「さあ‥歌おうよ!」