「…どした?」
藤堂さんが、珍しそうな表情でユンファを見た
「…今回、俺ちょっと考えがあるんですけど」
「……珍しいな」
藤堂さんは怪訝な顔で、腕を組むと、まとまりかけていた話を中断させたユンファを見つめたまんま黙りこんだ
その場がシーンとして、私も良くわからないなりに、一緒に緊迫する
何?何が起きてるの?
「で、どうしたい?」
重い口調で藤堂さんがユンファにそう尋ねた
「まだ、イメージがはっきりしてない」
は?
何言ってんの…?
あんぐりとしている私をよそに、
「いいんじゃない、じゃ、次までに」
ジョンヒョンがそう声をかけた
ちょっと
ちょっとちょっと
さっきまでの打ち合わせは?
今までのはじゃあ何だったんだ
てか、せっかく私の担当の話になると思っていたのに、まさか今日
終わりじゃないでしょうね!?
「じゃあ、各自スケジュールと予算の資料出して次回持ち寄りって事で、お疲れ様
何か他の案があれば、その時にね」
皆、異論はないらしく、
「じゃ、お疲れ~」
と、次々と退室してゆく
え?私は?
「このあと残って、明日のスケジュール確認するので」
牧田さんは私をすっかり無視してくれて、メンバーに話し掛けている
「じゃ、イクちゃん次回日程決まったら連絡するから、ちょっとお茶でも行こうか」
そう言って藤堂さんが立ち上がった瞬間
「ちょっと待って」
ユンファが藤堂さんにそう言った
また待ってかよ!
何だか、イメージの違いに、今までの反動でやたらにユンファにイライラと反応する私
「マキ、このあと予定入ってないから、俺、ちょっと藤堂さんといい?」
……は?
「………いいけど」
不快そうに顔を歪めて牧田さんがそう言った
「ソンミンに明日のスケジュールは確認しとくから」
そう言うと、ユンファは立ち上がった

