SECRET LOVE



イライラしながら、ミーティングが再開


相変わらず何が何だかちんぷんかんぷんで、私はとりあえず黙ったまま、様子を伺っていた


SOUTHのメンバーが同じ空気を吸ってる幸せも

目の前にいる幸せも


隣に座ってるユンファに対する怒りで全部吹き飛んだ





何でコイツが横なのよ!




しばらくして、やっと衣装の話になった


細かい金額面や、幕の組み立て
現状の進行と演出の先々の事をキチンとスケジュールを組む


今回の衣装チェンジや、選曲など、メンバーも交えて希望を出しあう



私といえば、集中しようとしていても
初めての仕事なだけあって話の内容を理解しながら追い付くので精一杯だった


ところ所に謎の専門用語が飛び交い、担当者の仕事内容もどういったものなのかもわからない


探りながらはメモをし、必死に頭をフル回転させる





そんな中でも、メンバーの意外な関係性がゆっくりと見えて来た


一番発言が多いのが、ジョンミンで、色々な案を提案する

もっと控え目なのかな、と思っていたけど、意外だった

次に反論や、意思が凄く強いのがジョンヒョン

時折キツイ口調で、荒々しい態度にドキッとした


シウォンとソンミンは割と明るくって、前向きな発言が多い
たまに面白くないギャグを言って、寒い空気にするけど
それが愛らしくていい






そんな観察もしつつ、やっと私の出番がやって来た


「で、今回のコンセプトを次回までにまとめたいんだけど」

藤堂さんがそう口にして私を見た



「ちょっと待って」

藤堂さんの話に割って入るように、ユンファが口を開いた


その声に、ビクッとした


油断してた…


やっぱり、いい声してるよな……


ユンファの落ち着いた声は、刺もなにもないスルッとしたシルクみたいな声で、自然と耳に入ってくる

氷の上を滑ってるみたいに、本当に自然すぎて、頭に声が残らない