藍い月と…



依琉が中に入ってる間、

特にする事も無いから

壁に凭れ掛かって目を瞑る

瞑ってからも浮かぶのは

アイツの華奢な身体と

綺麗な顔だ…

この感情を何て言うんだろな

俺には解らねえや



――…パタン



扉が閉まる音と軽い足音が聞こえた

終わったか?

ハァ、という依琉の溜め息

それから数秒、何の動きも

見せなかった依琉

が、突然壁を這う動きを見せた

微かに目を開けてる程度だけど

必死に這う姿を見てると

面白くて次に何をするか

少し楽しみに待つ俺が居る

俺が気付いてないと思ってんのか

俺から少し距離を開けた所で…


――――はい、捕まえた


脱兎の如く猛ダッシュしようとした依琉の

腕を掴み引き留めた