それから、アタシは暁とバイバイをして
自分の家へと足を運ぶ。
プルルルル……プルルル……
そこへ、また着信を知らせる軽快な音が誰も居ない道路に響き渡る。
『もしもし』
「ぁあ、依琉か?」
着信の主は、弦静さんからで
「正体……知りたいか?」
そう、昼間は暁が来て急いで通話を切ったから
空良の正体を聞かずに終わってしまった。
一体……空良は何者なの…………
あたしは真剣に弦静さんの言葉に耳を集中させる。
「……空良は、昔お前に、依琉に1度殺られた奴だ。
それも今は勢力を拡大に伸ばしている、気をつけろよ
執着心がかなり強い男だ。
何処まででも、地の果てまでお前を追うだろう
ーーーーどんな手を使ってでもお前を必ず」
そこで、弦静さんの言葉で思い出した。
昔、本当に昔の事だ、殺意しかない目をした男と殺りあったのを。
そいつが空良だったとは……
今度はあたしを、殺りにきたということなの?
それとも、弦静さんの言う通りあたしを奪いに...
『弦静さん、空良は一体どれだけの人を集めているの』
あたしのことを地の果てでも追ってくるのなら、
それなりの人数が必要
そうなれば、暁達の身に危険が及ぶ...
いや、あたしの見る限りそう簡単には殺られない筈だけど
念には念をだ、何かあった時にはあたしが守らなきゃ...
