暁達の憧れがアタシだって

知ったらどうする?

そう言いたいのに、言えない

暁達がどんな顔をして

アタシを見るのか、どんな

形でアタシに接するのか、

変わってしまったら怖くて

アタシには聞けない


「…依琉?」


優しい声がアタシの耳に届く

その優しい声で、アタシを

軽蔑するのだろうか


『…何でもない、部屋に戻ろう』

暁の手を取り部屋に戻る


「やっと戻って来たね」


ニコッと笑いながらアタシに

手招きをする奏

アタシは手招きする奏の方に

足を進めた


『どうしたの?』


そう問うアタシに奏は


「珱達に依琉ちゃんの事話したんだ」


ん?とアタシは首を傾げ奏の言葉を待つ