「暁そろそろ時間だよ」
自分の左手にしてるシルバーの腕時計を
見ながら奏は言う
暁は、ぁあ、と一言だけ言ってから
二階へと繋がる階段を上がり始めた
それに習ってアタシ達も上がる
「みんなには先に待ってて貰ってるから」
と、奏が教えてくれた
二階部屋の扉前に着くと、
中から騒がしい音が微かに聞こえて来た
「入んぞ」
扉越しに暁が言えばドアノブに
手を掛け騒がしい部屋の中に入る
アタシも中に入り、中に居た
人達をマジマジと見る
アタシ同様、中に居る人達もだ
中には驚いた顔を見せる人も居る
「何で女が居るんだ?」
と、最初に口を開いたのは
落ち着いた黒髪をした人だ
何処と無く奏に似ているけれど
アタシを見る目が違う
警戒している、そんな様な目
「この子は暁達の追っかけー?」
次に口を開いたのは、
綺麗に染まった銀髪を右サイドに流し、
上手い具合にツーブロックが見え、
いくつものピアスを付けた
如何にも軽そうな人だ
