藍い月と…



『解った、7時に待ってる


あ、寝坊したらごめんね?

先に謝っとく』


エヘッ、とアタシらしからぬ

仕草をしてみせたら

暁は困ったような顔でアタシの頭に

手を置き優しく撫でた

暁の手…奏とは違った温かさ

落ち着いて安心する温もり


「じゃな」


『うん、また明日』


暁は再び単車を吹かし走り去った

アタシはまだ見えるテールランプと暁を

ずっと逸らす事なく見つめる

やがて見えなくなった暁に

もう一度だけ待たね、そう言って

アタシも自分の家に向かって歩き出す