JOINT〜ひとりじゃない〜

翌日、特務課に入ったら、一番乗りに美波警部が何かDVDを見ていた。

「おはようございます、美波警部」

「おはよう、小林くん。早速だけど、これよろしく」

ポン、と俺の机の上に放り投げられた物を取ってみたら、それは

「え、AV…?」

何の紛れもない、アダルトビデオのDVDだった。

「これね、今日中にチェックしなきゃいけないの。まだたくさんあるから、早くチェックしてくれない?はい、これDVD」

おいおい、朝っぱらからいきなりアダルトかよ!しかも結構音がある!イヤホンくらいしましょうよ!!

「これ警察が押収した違法AVなのよ。最初の仕事は違法AVのチェックね。一本大体10分くらいだから」

「これも、特務課の仕事なんですか?」

かなり疑問だ。捜査に呼ばれないし雑務が来るし。特務課って、マジでこんな仕事しか来ない訳?

「そうよ。特務課の仕事はこんなのがメインだから。どんな雑務でも引き受けるのが特務課なんだから、早くチェックして」

嘘だろ…。つーか違法AVのチェックなんてよく引き受けるんですね。こんな朝からエグいのを涼しい顔で見るんだから。
こうして俺の特務課二日目の仕事は、違法AVのチェックでほぼ終わってしまった。
もしこれが何日もあるって考えてみたら、特務課にいた刑事たちに同情してしまうよ。かなーり強いメンタルがなきゃやっていけないってか。
でも美波警部、なんであんな窓際部署にいるんだ?仕事とか見ていたら手慣れていたし、彼女も同じ境遇の刑事だったのかな。でも階級は警部、俺よりうんとエリートじゃないか。それと、なんで特務課って出来たんだ?

「ほら、ぼけってしないでチェックチェック」

そんな些細な疑問も、美波警部の一言で消されて、俺は定時になるまで違法AVのチェックに明け暮れた。
こんな仕事ばかりしか来ないんだな、ここは。俺の前に働いた刑事たちの気持ちがわかるよ。