入学式が終わって中学校初日がやって来た。
「おはよう。」
「おはよう。」
「私、小林朝夏っていうの。」
「あっ、私は蒼井空です。」
「そらちゃん。よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「タメなんだから敬語なし！あと朝夏でいいよ。空って呼んでいい？」
「あ、うん」
さっそく友達ができた。
よかった。
決して友達がいないわけではないが、同じクラスに小学校からの友達がいなかったのだ。
唯一、小学校から一緒のクラスは翔だけだった。
「席つけー」
「今日からお前らの担任の熊田だよろしくな」
なんかがっついのきたー。
熊って言ってるけどどう見てもゴリラじゃん！
そんなツッコミをいれていると…
「今 ゴリラだとか思った奴、放課後掃除やらせるからなー」
おっつー。
心読まれとるな。
そんな中…
「ガラガラ……おはようございます。」
「初日に遅刻とはいい度胸だな？」
「すいません。あぁ〜、」
あくびをしながら入ってきたのは翔だった。
そして私の隣の席に座る。
「はよ。」
「おはよ。」
「ね、誰々あの人？かっこいいじゃん！」
「あ、幼稚園から一緒の渡部翔。」
「え！まぢで！彼氏だったりする？」
「！？違う違うw」
「そっかー！」
そう言われれば。
特に意識していなかったけど綺麗な顔立ちをしている。
