翼がいなくなってから。
正直荒れた。
荒れまくった。
たまにしか見舞いにこない親には反抗しまくった。
私は手術をうけた。
なんとか心臓病は治った。
普通は嬉しいはずなのに。今の私に「感情」なんてなかった。
退院してからも荒れた。
家でなんて珍しくなかった。
いく宛もないのにふらついてだれかに見つかって家に戻される。
そんな日常。
家では部屋にこもりだれにも心を開かず。
そんな私に親はいつもいう。
『病気は治ったのになにが不満なの?翼くんも悲しむわね。せっかく治ったのにこんな生活して』
翼の名前を出すたび私の理性は狂う。
何回も何回も横道にそれた。
翼なら真っ先に私を間違った道から連れ出してくれるのにそんな翼はもういない。
その事実が悔しくてさみしくて。
またぐれる。
だれか助けてよ…やだよ。
そう思うのにまた家をでては悪い奴らとつるみそれでさみしさを紛らわす日々。
私に絶望する人間は大勢いる。
もしかすると翼もその1人かもしれない。
そうおもうとまた淋しさや罪悪感がきえなくなる。
こんな自分を変えたかった。
嫌だった。
だれかたすけてよ…
そう思っていた。
この頃の私に奇跡や運命なんて言葉は全くなかった。