ある日私と翼は喧嘩した。
『本当にありえない!なんで?』
『もうしょうがねえだろ!』
『悪かったって!』
「おもってないね!』
『苺大福食べただけだろー!』
『苺大福食べたんじゃない!私の苺大福たべたんでしょ!』
『なんでそんなおこんだよ!もーいいよ!」
『逆ギレとかさいてー』
そんな喧嘩をして翼は怒って病室をでてしまった。
私はほんとうに苺大福がだいすきだ!
学校から家まで30分かかっても家に苺大福あるとわかれば15分で帰る。
そんな勢いだ。
翼はそんなことをしらず食べてしまった。
それで喧嘩になったってわけ。
そしてしばらくたつとわたしの机になにかおかれた。
それは…
『苺大福?』
見上げてみると翼がいた。
『ずっと拗ねられてたら困るから』
そういって2つ入りの苺大福をくれた。
『一つあげる!』
『ありがとう。』
そういって仲直りした。
世間ではもう中学校だ。
私も本当なら今頃制服をきてワクワクしながら学校にいくはずだった。
そんなことをおもっていると。
『なぁ杏音?』
『なに?』
そういうと翼が私にひとつの箱をくれた
『なにこれ?』
『あけてみ』
素直に開けてみると
『地球儀のネックレス?』
『今日杏音誕生日だろ?だから。』
『覚えててくれたんだ誕生日…でもなんで地球儀なの?女の子にはリボンとかハートとかだよね?』
『その地球儀には俺はお前のことずっと見守ってるから。泣いてるときも。怒ってるときも。笑ってる時だっておれはお前を見守ってる。そういう意味をこめてだ』
『ありがとう。』
素直に嬉しかった。じぶんの親でさえ子供の誕生日を祝ってくれないから。
翼といる一分一秒がかけがえのないものだった。
そんなことをおもっていると
翼がキスをしてくれた。
初めてのキス。
それはすごく優しくて。
おどろいていると
『初めてのキスはお前の誕生日って決めてたから』
私は今までにないくらいマヌケな顔をしているだろう。
翼も今までにないくらい照れてる。
そんな幸せな時間も終わってしまうのははやい。
それから半年後9月15日。翼は私の前から消えてった。
翼は暮らしそうな顔ひとつせずこの世を去って行った。
泣いた。どれくらい泣いただろう?
泣いて…泣いて…泣き叫んだ。
翼しかいなかった。私をここまで素直にできるのは。初恋だった。
翼の優しさが温もりが。まだ自分のすぐそばにあって。
大切な人が離れていくのはこんなにも辛いことなんだ。
翼…翼…逢いたいよ!目を覚ましてよ!
『つばさーーーー!!!』
自分でもおどろくくらい大きな声で叫んだ。
それでも寂しくて苦しくて怖かった。
そんなとき看護師さんが
『翼くんの引き出しに入っていたの。
どうぞ』
そこには一通の手紙と封筒があった。
手紙には
ー杏音へー
と書いていた。
私はなにも考えずその手紙を読んだ。
ー杏音へー
もう俺は長くないと思うんだ。でもきっとそんなこといったら杏音はあの時みたいに怒るよね?だから手紙にしました。
杏音がこれを読むってことは僕はもういないんだよね。
杏音。君に出会えてほんとうによかった。
俺は杏音と初めてあった日。杏音がおれに待っててあげるよ。っていって笑ってくれた日から君が好きでした。正直あの時僕は不安でたまらなかった。
いつ死ぬのかって怖くてたまらなかった。
そんなとき君は僕にいろんな言葉をくれた。
そんな君が大好きでたまらなかった。
きっと杏音のことだから泣いてるだろう?
でも今日だけはないてもいいよ。でも明日からは笑って欲しい。新しい人と新しい恋をしてほしい。でも俺の正直な気持ちをいえばおれのことをわすれないでほしい。でも俺のことをおもって杏音がずっと恋をできないなら俺のこと忘れて欲しい。
杏音。君は今1人だとおもって泣いてる?おれにもう一度逢いたいっておもってるよね?
そばにいるよ?杏音が地球儀のネックレスをもっていれば俺はそばにいる。見守ってる。
君は僕にいろんな言葉をくれた。そのたび僕は支えられていた。本当にありがとう。
君は僕の光でした。希望でした。だから死ぬことを怖いと思わなかった。
君が抱きしめてくれたから。
でも僕は今君が不安でなきそうでどうしようもないもきなんていってあげていいかわかりません。
だから僕はこのCDを君に送ります。
この曲は僕の気持ちのすべてです。
追申
杏音。
君のことを愛してた。
これからも愛してる。
言葉じゃ足りないくらい。
だから幸せになってください。
翼
泣いた。翼。
私は他の恋なんてできるかな?
貴方を超える人なんていないよ。
もし好きな人ができてもきっと翼を重ねてしまう。
心の中にずっと翼はいる。
大好きで…大好きで…大好きすぎて。
翼しかいないよ!翼がいない世界なんて無理だよ!ありえないよ!
何時間も泣いた。
そして翼のくれたCDをきいてみた。
そこに入ってた曲はファンモンの
『おかえりなさい』
翼の大好きだった曲。
私はまた泣き出した。
だって翼の想いが伝わってくるから。
痛いほどこの曲を送る時のツバサの表情がわかるから…
♪いつだって帰っておいでよ。君の居場所はここにあるんだから。辛くて泣きたいときは真っ直ぐ僕に会いにきて。
忘れないでね。こんなに遠く離れ離れだけどそっとそっと見守っているんだよ。繋がっているんだよ。見守っているんだよ。♪
この手紙を書いているとき翼はどんな気持ちだったのかな?
きづいてあげられなくてごめんね。
翼。
貴方は幸せでしたか?
私は貴方を幸せにできたかな?
もう一度名前を読んでほしいよ。
貴方の優しさに…ぬくもりに…触れたいです。
貴方を越す人なんてどこにもいない。
そうおもっていた。
だけど私の人生はそこでは終わらなかった。