ニセ×カレ

バスから降りて校舎へ向かっていると、いつもは誰もいない正門の前で3年生の女子数人がたっていた。

今日、なんかのボランティアの日だっけ…?

いや、特に何にもない日なんだけど…。


不審に思いながら横を通り過ぎた。


「みみぃ、今日何の日だっけ?」

「さぁ、特に何にもないと思うけど…?」

「…だよ…ね……。」


ひなも不審に思っていたらしい。

やっぱりおかしいな、と思って後ろを振り返ったら、その中の1人と目があってしまった。


…なんか、睨まれてる……?


「ね、ねぇみみ? あの人っちなんか言ってるよ? こっち見てるよ? ひな、なんかしたっけか?」

「私たちに言ってるんじゃないと思うよっ! ほら、今こんなに人いっぱいいるし。
ていうか、あの人たち知らないじゃん?」

「だよね…。」


き、気のせいだよね?

ひなに心配かけちゃいけないって思って言わなかったけど…。


確かに言ってたんだ。

『ほら、あの子だよ、例の2年生…。』