「玲奈、待たせたな。」



「ううん。試合勝ったね、おめでとう。」



涼と校門で合流すると、涼は当たり前のように私の手を握ってくれた。



その “当たり前” が嬉しくて、私もギュッと握り返す。




「玲奈……」



涼は表情を硬くすると、私を見つめた。



「俺の彼女はお前だけで、俺が好きになるのもお前だけだ。
だから、俺の言葉は信じて。」



「うん。信じてるよ……」



心から信じてる。



だから、そんなに怖い顔をしないで。




涼が私のことを思ってくれるのは嬉しいけど、でも、こんな顔をさせたくない。




「涼………ありがとう。」