涼は知らないけど…… あなたは私の救いで、 そばにいるだけで幸せだったんだよ。 だから、たった一つの望みがあるの。 あなたが、私の真実を知るまでで構わない。 ーーーその間だけでも、どうかそばにいさせてください。 「ねえ、私知ってるんだから。」 朦朧 (もうろう) とする意識の中で、日向ちゃんの声が微かに聞こえる。 身体中が痛くて、今にも意識が飛びそう。 「あなたの家のこと、全部知ってるんだから。」 ーーーーえっ 意外すぎる不意打ちの言葉。 動かない体に無理矢理力を入れて、目を開ける。