「ーーーーーっ」
「あんた、本当にそれでいいわけ?
見損なったんだけど。」
辛口の言葉と、罵倒。
俺の足を引き止めたそいつは、俺の目の前で怒りを露わ(あらわ) にしていた。
「伊藤……」
「玲奈、倒れたんだからね。」
「は?」
「あんたを追いかけて、階段の上から突き落とされたんだから!!」
その言葉は、衝撃的なものだった。
伊藤は、いつも明るい奴で。
伊藤が怒っているのは見たことがなかった。
けど。
それだけの理由は十分にある。
親友がこんな目にあってるんだから…
「走ってる玲奈を見かけて、追いかけた。ふらふらしながら、必死に走っている玲奈を止めようと思った。
でも、遅かった。
あの子は、階段から突き落とされた時に、なんて言われたと思う?!」

