A CHEMIST‘S PANIC [短]





それで?と梨を齧りながら

弟の里希が私を仰ぎ見た。






「姉貴は今、何を作ってる訳?」



シャワーから上がり、
バスタオルで髪を拭いていた私は
弟の呆れたような口調に拗ねた。
意図的に唇が尖る。





この生意気な弟は今、高校生。

あたしが卒業した高校に入れたのは
殆どキセキに近いと思う。





「パパの仕事でちょーっとね。」