A CHEMIST‘S PANIC [短]




冷たく固い防音加工のされた
コンクリートの地下室。


何に使うのか検討もつかない
だろう機械が囲う部屋。
天井の電気が妖しく照らす室内には
白衣を纏った女がいる。



女は学校の保健室にあるようなロッカーから
白濁色のプラスチック容器を取り出し、
灰色の卓上に置いた。





その隣にある試験管の中では
緑色のナマコのような液体が
グチュグチュという音を立てながら
揺れている。