A CHEMIST‘S PANIC [短]



「で、出来るのか?」



怒ったくせに、おこぼれを貰おうとしているらしい。

意地悪したくてそんなものは出来るはずない、と言い放った。

ノートも奪い取って、そっぽを向く。
パパが出て行って、たった一人の空間の中ノートを見直す。


「ああ、やっぱり。」

きっとこれで出来上がる。何週間も悩んでいた自分が馬鹿みたいになるほど、くだらな
い。

まさか、対象物であるモルモットのDNAを採取することを忘れるなんて。

一番大事なものなのに。


・・・私って、つくづく馬鹿かも。