A CHEMIST‘S PANIC [短]



昨日大泣きしていた里音は、打って変わってご機嫌だった。


どうやら今日、小さなウサギを買って貰うらしい。

よかったね、と里希が頭を撫でているのをどこか遠くで見ている感じだった。

何か忘れているような、なんだったっけ?


「里恋も行くでしょう?」

リコ、ともう一度名前を呼ばれて顔を上げる。
一緒に?ペットを買うだけのお出かけについていくとでも?


「ごめん、実験がまだ終わらないから。」

ベーコンを捲り上げながら、ため息を。
パパが新聞の隙間から私を見ていたのに気が付いたけど、実験の内容を言うわけにはいかない。