「そうよ。そのために居るのだもの。」
「イヤ!モルちゃん殺しちゃ、いやぁ!」
聞き分けのない子ども。
いつもだったら可愛がってあげているけど、これは遊びじゃない。
イライラが募る。
私のような研究者は自分の道を妨げるものが嫌いだ。
「あの子たちは私が飼っているの。里音のじゃない。それが判らないのなら勝手に餌を与えるコトもしないで。いいわね?二度と、私の地下室に入らないで。」
私の目から優しさが完全に消えたコトを知ったのだろうか。
怯えた表情の里希が里音の手を取って部屋へと連れて行った。
その間も、甲高い泣き声が響いていた。


