「モルちゃん殺しちゃうの・・・?」
まるで、モルモットを心配するかのように。
彼らは生きて死んでいるようなものなのに、と非道な科学者の考えを即座に打ち出す私の思考回路。
その時点で私は、人として死んでいるような気がした。
研究をしていると死などなんでもないように思えてくる。
そう。
私にとって材料でしかない。代わりなど、幾らでも居るのだと。
だけど優しい妹は一匹一匹に名前を付け、餌を与え可愛がっている。
そんなコトをしても時が来たときに訪れる悲しみが増えるだけだとわかっていながら、見て見ぬフリをした。


