そんなふたりが恋してる。



あれからずっと繋がれた手


壱成があたしを家まで送ってくれてる




終始、壱成とあたしの言い合いだけど…



そんなひとときに幸せを感じてる






あたしの家の前


いつもならすごく長く感じる帰り道も
今日はあっという間だった


もうこの手を離さないといけないんだ


そう思うとなんだか寂しくなる

また明日も会えるのに



「ん?そんな顔してどうした?

さては、俺と離れるのが嫌なんだな」



相変わらず意地悪な壱成


そう言ってる壱成の顔は
なんだかあったかく見えた

ちょっと寂しそうな顔もね



「こうやって壱成の隣に並んで歩けて、
手繋いで、

なんか夢の中にいるみたい

壱成のこと大好きなんだなぁって
実感してるの



それと、

壱成も寂しい顔してる

あたしは何でもお見通しだからね


明日も明後日もその次の日も…

ずっとずっとあたしは壱成の隣にいるよ


だからそんな顔しないで、ね?


今日はありがとう


壱成、大好き!」






そう言って背伸びをしたあたしは

壱成の頬に
触れるだけのキスをそっとした