あたしは自分の目を疑った
真っ赤にそびえる夕日
地平線にかかる赤色は
見たこともないほどきれいだった
まるで別世界にいるようだった
「きれいだろ?
これをおまえに見せたかったんだ
俺と雅だけの秘密の場所
来年も再来年も、
この先もずっとずっと見にこような
約束だぞ?」
「うん!約束!
何歳になっても壱成と見に来る!」
「おまえってほんと無邪気
何歳になってもってことは
俺ら結婚しないとな?」
「……な、何言ってんの?
結婚って…
そんな恥ずかしいこと
さらっと言わないでよ!」
「俺はいつだって本気だぞ?
まっ、雅が嫌ならしょうがないけど」
「嫌じゃないよ
……あたしも壱成とずっと一緒にいたいし」
「そんなの、結婚しかないだろ?」
「だからー、結婚は早いってば!」
「おまえ、何想像してんの?
今すぐ結婚しようなんて
一言もいってないけど
俺、今17だから
雅がその気ならあと一年待ってくれれば
すぐに迎えに行くぜ?」

