黙りこんだあたし
壱成、どんな顔してるかな……
もうあたしのこと放っといて……
自分がどんだけ酷いこと言ったか
分かるから……
壱成につらい思いさせたって
気づいてるから……
もうこんなあたしに
優しくしてくれなくていいよ……
こんなとき素直に謝れたら
どんなに楽なんだろう
『ごめん』
たった三文字伝えればいいだけなのに
ほんと、あたしってダメだね
こんなんじゃ
壱成の彼女失格だよ……
壱成、ごめんね
あたし素直になりたいんだよ
でもね、うまくできないの
壱成が隣にいるのにね
あたし変われた、なんて嘘だよ
今までよりも
“無理”
“できない”
って気楽に言えるようになったって思ってた
きっと壱成は、
あたしが自分の変化に
気づいてないって思ってるでしょ?
雅は鈍感だから、って
あたしのこと心配してくれてるんでしょ?
あたしね、
ちょっとずつ進歩してるって
感じてたのに…
壱成がいてくれたから
成長できたのかなって思ってた
でも、違ったのかもね…
一番素直になっていい人の前で
それができなかった
自分ではできてるつもりだった
壱成の前のあたしは
素直だと思ってたのに
全然違ったね
あたしどうすればいいの?
分かんないよ………

