インターホンの音が聞こえる。

私ただ一人の家には滅多にこの音が鳴ることがない…珍しいな。

「美雨様、いらっしゃるでしょうか?」

玄関から男の人の声が聞こえた。
確かに今¨美雨様¨と、言っていた。

誰?

不審に思いながらも重くて大きな玄関のドアを開ける。

「あの…どちら様でしょうか?」

黒のサラサラの髪の毛、私よりも10㎝は上回る伸長。

整った顔立ちをしていて、誰が見てもイケメンと言うだろう。

「僕はこういう者です。」

ニッコリと微笑んで男の人が名刺を渡してくるのを、私は受け取る。

「時雨グループ…宮本翼…?」