妄想乙女

それから私は教室へ入れず、ドアを開けたまま5分が過ぎました。

その間ずっとずっとずっとずっと

キツイ目線と沈黙の嵐です。

ARASHI☆ARASHI☆おーいぇーい!!

なんて心の中で歌いながらメンタルを保たせました。

ていうか、みんなろう人形なんじゃないの??

ていうか、みんなロボットなんじゃないの??

いや、今の時代ロボットの方がいい反応してくれるだろうし。


そして、ようやく、ろう人形&ロボット先生の口が動きました。

「君が滝本さん?」

「はい。滝川クリステルです。」

なんだこの会話。

私はビックリして『滝川クリステル』とか言ってるし。

『滝』しかあってねーよ!

てかツッコンでよ!

私すっごいイタイじゃん!!


「とりあえず、中に入りなさい。」

ひとつ隣の学校を選べばよかった。

「はい。」

「自己紹介どうぞ。」


この空気無理!

私は大声で思いっきり言いました。

「なんですか?この空気!!そんなに私に来てほしくなかったですか??」