「ありがとう、原田くん。中村くんにも伝えてて」
「わかりました」
もう授業が始まるので、そのコーヒー牛乳はバッグの中に大事にしまいこんだ。
…午後一番の授業は数学で、嬉しい気持ちから一転して私はどん底に落ちた。
「数学、きらい」
「そうですか。そもそも、如月さんには好きな教科なんてあるんですか」
聞かれて考える。
あるにはあるけど…
「数学以外なら全部そんな嫌いじゃないよ。眠くなるのはあるけど」
「好きな教科はないんですか」
「あるよ。英語は好き」
私がそう言うと、原田くんは顔を歪ませた。
…そういえば原田くん、英語のとき必ず寝てる気が…
「どこがいいんですか」
「いいわるいってよりは…うーん…楽しい、かな」
気がしれません。
そう言って彼はそっぽを向いてしまった。
そんなに英語嫌いなのか…

