昼休みが終わって、私は窓際のあったかくなった席に腰掛けた。

あれから私たちは他愛のない話をしたりして、コーヒー牛乳のことはすっかり頭から抜けていた。

なのに。


「はい」

「え?」


隣の席から手が伸びて来て、私の机の上にはコーヒー牛乳がのっかっていた。


「僕の友達が、ごめん」

「あ、え、えぇ?」

「あの時ぶつかったのは、僕の友達。隼人はずっと落ち込んでました」


…そっか。
原田くんにはちゃんと友達がいたんだね。
安心した。


「如月さんが好きなものとは違うかもしれないけど、これ。お詫び」


かわいい牛の絵がかかれた紙パック。
そこには吹き出しで"ごめんね(中村隼人)"とかかれていた。

いい人。