ペンケースから消しゴムを取り出して、教科書を拝借して(っていっても私のなんだけど)その落書きを消した。
「ねぇ、さっきのって」
「ナンデスカ」
「鳥、ですか」
「ソウデスヨ」
「下手過ぎ」
…はっきり言ってくれた原田くん。
じゃあ、原田くんはかけるの、と聞こうとすると、原田くんは私の教科書に何かをかきはじめた。
……え、まって。
これって。
「鳥って、こうでしょう?」
「はい」
「頭から羽は生えないよね」
「はい」
うますぎなんですけど…
男なのに、女の私よりも絵がうまいなんて…
神様は不公平だ。
なにもかも、原田くんに与えすぎてる。
私にも何かを与えて欲しいです、神様。
「如月と原田は放課後覚えとけ」
「「はい」」
…そうだった。
授業中なのすっかり忘れてた。

