ーこんにちは?…………ー
状況が全く飲み込めず、ただ呆然と声の方を向く。
ー私、どうしたんだっけ?トンネルに居て……雷が真横に落ちて…………竹?ー
「大丈夫?」
沖田が再び声をかける。
「あ、はい……あの……ここは?」
「竹林、だね。」
「はぁ、竹林……ですか。」
ーそのまんまじゃないー
「で、貴女は何故こんな処で寝転がっているのかな?」
「寝転がって……?」
ーてかこれって倒れてるって状況じゃないの?ー
ゆっくりと自分の姿を確認する。
「ったく、何時までのんびり話してやがる。」
業を煮やした土方が近づいてきた。
「お前は何者だ。」
ーは?何者って……てかこの人達……和服?何で?ー
「聞こえねえ訳じゃねえだろ。」
土方の苛つきが露になる。
「あ……森田叶です?」
「へぇー、叶ちゃんか。可愛いね。」
沖田が手を差し伸べ、叶を立ち上がらせた。
土方は眉間の皺を濃くする。
「名乗れつってんじゃねえ。何者かを聞いているんだ。」
「な、何者かって……タダのOLですけど……」
「あ”?おお……?何だ?間者だったら生かしちゃおかねえぞ。」
ーこ、怖いんですけど、この人。おかしな格好してこんな凄まれても困る。つかホント怖いー
「土方さん、叶ちゃんが怯えてるじゃないですか。」



