「……これ、何ですかね?」
「俺に聞くんじゃねえよ。」
落雷のあったであろう付近を捜索していた土方と沖田。
向かった先に見つけたものは、燻った竹とそこに横たわる女、そして女の腕の中の仔猫。
更にその周囲には見たこともない何かが散らばっていた。
「ミィー」
仔猫が腕をすり抜け、横たわる女の顔を舐める。
「どう見ても人ですよね。」
「だな。……厄介なもん見付けちまったもんだな。」
「土方さんが責任取って何とかしてくださいよね。」
「俺かよ?勝手に押し付けるんじゃねえよ。」
「土方さんが見に行くなんて言うからでしょう。」
そうこうしている間に仔猫に舐められていた女がピクリと動く。
「意識が戻ったか。」
「その様ですね。じゃ、本人に聞いてみますか。」
「お前なあ…」
呆れ顔の土方を他所に沖田が女に近付いていく。
「う……ん…………。クロネコちゃん?」
女はその顔にすり寄る仔猫に手を伸ばす。
「こんにちは。」
沖田は女の横に立ち声をかけた。



