「叶はどうやって此処に来たんだ?」

「それが……分からないんです。」



ータイムスリップなんてどうやって説明したらいいのよー



「分からないのに百年以上後の人だなんてよく言えたもんだね。一体何処の輩な訳?何処の藩の間者?」



沖田は苛つきを隠さない声色で言う。



「間者?」



聞き慣れない言葉に叶が首を傾げる。



「白々しいよ。」



益々苛ついてきたであろう沖田は自身の刀へと視線を移した。



「待てって、総司。俺は叶の話を聞きてえんだ。」



沖田を制した原田。



「どうやって来たのか分からないんだな?まさか歩いてたら百五十年経ってた訳じゃねえんだろ?」

「仕事の帰り道、雨宿りしていたら真横に雷が落ちたんです。真っ白な光に照らされて……気づいたらさっきの竹林でした。それ以上の事は私にも分からないんです。本当に。」

「そうか。」



原田が再び考え込む。



「なあ、さっき拾ったすまあとなんとか?そこにあるやつ。あれは叶の物じゃねえんだよな?」

「あ、はい。そうです。もしかしたら私みたいな人が他にも居るんじゃないかと思うんです。」



ー黒いスマホに黒いケース。男の人?よね?ー



さっき拾ったスマホと叶のスマホを手に取る。



「沖田さん。信じていただけなくても仕方ないかもしれません。けど、事実なんです。さっき真っ暗なところをこれで照らしました。今の時代にはないでしょう?」



叶は沖田の前にスマホを置いた。