「うわっ、いきなり凄い雨だ!ゲリラ豪雨かぁ。クロネコちゃん、一緒に雨宿りさせてね?」
「ニャー」
「いいの?ありがとう。早く帰っても独りだし……キミと一緒に帰れればいいのにね。」
叶はそっと仔猫を抱き上げる。
「ホントはね、ちょっと寂しいんだよ?」
本音がポロリと口をつく。
「ニャァー」
仔猫が叶の鼻を一舐めする。
雨は益々強くなり、雷も近付いて来て稲光を走らせる。
ードドンッー
「キャッ!近くに落ちた?怖い……」
思わず仔猫をギュッと抱き締める。
次の瞬間。ドン、バキバキッ!!と言う音と共に滑り台の真横に雷が落ちる。
目を開けることも出来ない程の光が叶と仔猫を差し、その光に弾かれるが如く、一人と一匹の体が消えた。



